毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

さよなら「出雲」・山陽山陰の旅(その12;浜原→江津)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818114854.jpg三江線浜原駅には「三江線全通記念」の石碑がぽつんと。

 2006年2月19日、

 07:45に浜原に到着した444Dは08:10発三次行き445Dとなって折り返し、浜原着07:52の江津からの443Dが07:58発江津行き446Dとなって折り返すダイヤになっています。お互いが浜原で折り返さないでそのまま乗り通せばいいのにとも思うのですが、それはきっと三江線のできた経緯にもよるのでしょう。

 三江線は、1937年に江津~浜原間が三江北線として開業します。それからしばらく浜原駅三江線の終着駅だったわけですが、北線の開業に遅れること約40年(!)、1975年(昭和50年)8月31日に全線が開通します。南と北では40年の時間差があるのですから軌道や基盤もそうとう違うでしょう。そんな経緯もあって、今でも浜原が三江線のいわば境界になっているのではないかと思います。集落の中心地は粕淵のほうで、役場があるのも、湯抱温泉三瓶温泉へ行くのも粕淵のほう。浜原は本当に鉄道のためだけの駅のような気がします。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818114850.jpg 浜原駅で途中下車。

 乗り換え時間が13分あるので、ちょっと駅舎の外へ出てみます。山に囲まれ冷気が立ちこめているのか、かなり冷え込んでいます。駅舎のすぐ前には「三江線全通記念」の石碑がぽつんと置かれています。島根県松江市の出身で運輸畑が長かった衆議院議員(のちに運輸大臣も歴任)細田吉蔵氏の書になるというところが「おや、三江線って政治色も濃いのかしら」とちょっと思わせます。

 駅前から数分歩くと江の川の土手に突き当たります。浜原到着前の潮駅あたりで見かけたときよりも川幅はだいぶ狭くなっていて、鉄橋がぽつんと架かっています。周囲は本当に山だらけ。ようやくその山々にも朝日がさしてきました。北の方へ目をやると、雪をいただく高い山が頂上部分を雲に覆われて見えています。あれは三瓶山ではないでしょうか。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818114858.jpg浜原駅から徒歩数分で江の川。北に見えるのは三瓶山か。

 駅前の自販機であったか~い缶コーヒーを買って駅に戻ると、江津からの443Dはすでに到着していて、折り返す準備をしていました。今度の江津行き446Dはキハ120-313。結局乗客は増えないまま浜原を出発です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818114903.jpg 浜原からはキハ120-313。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818114907.jpg 石見川越着。残り22.3km。

 浜原から終点江津までの50.1kmの間、線路は江の川を片時も離れません。交換があるわけではありませんが、石見川本で4分停車する他は坦々と走り、江の川を車窓の友にしながら、浜原から1時間43分、日本海への河口を目前に左へ大きくカーブを切り、山陰本線と合流したかと思うと終点江津に到着です。
 446Dの江津到着は09:41ですが、3分停車ののち、09:44発浜田行き普通列車379Dにそのまま変身してすぐに発車していってしまいます。僕は江津で下車します。江津を訪れるのは2003年10月以来2年半ぶりのことです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818114913.jpg ▲終点江津に到着した446Dはそのまま行き先表示幕を「浜田」に変えて、379Dとなってすぐに発車。