毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

さよなら「出雲」・山陽山陰の旅(その9;急行「みよし」)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818114733.jpg ▲「急行」の種別幕がなつかしいキハ28-3014(広島駅にて)。

 2006年2月18日、広島駅から。

 広島風お好み焼きを本場広島で食べられてよかった(^^)。そういえば今日(6月6日)のニュースで、広島市オタフクソースが「広島名物お好み焼きの歴史を学び、作り方もマスターできる情報発信拠点「お好み焼館」」をオープンしたというのを見かけました。くぅ~っ、また食べたくなってきた!(x_x)

 広島駅の改札を再び抜けて向かったのは広島駅9番線ホーム。そこでは、白地に斜めの濃緑色の帯を巻いたキハ58の二両編成が出発を待っていました。広島17:07発の備後落合行き816D急行「みよし6号」です。
 芸備線は、時刻表の上で「ちどり」「たいしゃく」「みよし」と同じ線を走るのに愛称が多彩な路線だということだけが印象にあり、愛称が「みよし」に統一されてからもぜひ一度は乗りに出かけたいものだと思い続けていたので、このとき立ち寄ってみただけなのですが、まさか2007年7月1日のダイヤ改正で姿を消してしまうなんて夢にも思っていませんでした。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818114758.jpg 案内板の「急行」も今は昔。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818114727.jpg 広島駅9番線で発車を待つ。

 「みよし6号」はキハ58の二両編成。前のほう2号車はキハ58-648、後ろのほう1号車はキハ28-3014で全車自由席。車内は焦げ茶色のモケットを張った完全ボックスシートが並び、急行型ここに健在!です(^^)。正面の顔には赤文字で「急行」の列車種別幕、ドア脇には「急行」「みよし」のサボが堂々と掲げられています。切符売り場の自動券売機で730円の急行券を買い、広島駅のいちばんはずれの9番線ホームから、国鉄・JRがどんどん切り捨てていった「急行」の最後の牙城・芸備線に急行「みよし6号」に乗って出発です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818114737.jpg キハ28-3014のドア周り。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818114742.jpg 「急行」の赤い文字がいい。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818114747.jpg 「みよし」、よくがんばりました。

 暮れゆく広島市街を抜けて、「みよし6号」はキハ58・28の地響きのするエンジン音を鳴らして走っていきます。三次までは75.7kmしかなく、停車駅も志和口、向原、甲立の3駅だけ。乗客はそこそこ席が埋まる程度には乗っていて、往年のローカル急行そのものです。

 広島から1時間10分、18:17に三次到着です。僕はここで下車ですが、「みよし6号」は2分停車のあと、普通列車1826Dとなって、備後落合までの残り50.2kmを走ります。備後落合で夜を明かしたこの二両は、翌朝備後落合発07:00の1821Dから811D急行「みよし1号」となって広島へ戻る運用です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818114753.jpg さすが急行型!の車内。

 西日本の日は少し長いとは言え、まだ2月。すっかり暮れ色になった三次駅。朝な夕なに芸備線を一日4本も走り続ける急行「みよし」も闇に溶け込もうとしています。これからもずっとがんばって走り続けてほしいとそのとき思いましたが、今はもう急行「みよし」はその使命を終えて姿を消してしまったのです……

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818114805.jpg ▲三次まで走り終えた「みよし6号」。2分停車のあとは備後落合まであともうひとがんばり。