お茶の都・杭州そぞろ歩き(その3)
▲大勢の人でにぎわう杭州西湖の河坊街。
さて、西湖呉山の麓、河坊街へ行ってみましょう。
杭州は南宋(1127年-1279年)の都だったということで、南宋時代の町並みを再現したのがこの河坊街。石畳の道の両脇と中央に、黒檀、黒瓦、白壁などで作った様々な店や屋台がずらりと並び、一種のテーマパークのようです。天気に恵まれた日曜日ということもあり、内外からの団体観光客も含めてものすごい人出でおおにぎわいです。小物・雑貨、お土産品、杭州銘茶、お菓子、薬、食堂、書画骨董、飴細工、射的、どれももちろん100%観光客目当てなので値段なんかもけっこう観光地価格なんだろうとは思いますが、とにかくただ歩いているだけでも飽きません。
雑貨・小物の店。色鮮やか。
往時の暮らしを再現したオブジェ。
上の写真は、木造家屋は雑貨屋さん、その右隣の石造りの建物は有名なお茶屋さんです。杭州は、中国の代表的な緑茶である「龍井茶(ろんじんちゃ)」が特産で、河坊街にも数多くお茶屋さんが軒を並べています。今がちょうど新茶の季節ということで、そういうお茶屋さんの軒先では、大きな鉄鍋で茶葉を煎る実演販売をやっていて、通りは煎りたての茶葉のすてきな香りに満ちています。
↑こちらの写真は河坊街と交差する横丁の風景。南宋時代の商店を思わせる黒瓦で石造りの建物と看板代わりの色とりどりの旗と、電線を使って干した洗濯物が混在するのどかな眺め。河坊街は大観光地ですが、ちょっとはずれると普通の住宅地でもあるんですね。
「萬隆」って何屋さんだろう。
マックまでが南宋調!
最後の写真はこちら↓。おみやげ屋さんの店先に出ていた「老北京・氷糖葫蘆」。「糖葫蘆」とは「たんふーる」といいまして、伝統的な中国菓子。サンザシの実を串にさして水飴でコーティングしたものです。ぱりぱりという水飴の食感と甘さ、しゃくしゃくというサンザシの食感と酸味が渾然一体となってなかなかおいしいです。このお店では、サンザシの他にバナナやパイナップルやスイカをさしたのも売っているようです。糖葫蘆の串をわらで作った俵にさしてそれを肩に担いで売り歩く姿は今でも見かけます。ここのは一本いくらだったんだろうなー。