臼杵竹宵、秋の灯はほのかに⑮(球磨川散策)
▲穏やかに流れる球磨川と色づき始めた紅葉の山々。
2005年11月7日、球磨川。
「しんぺい4号」は16:03に終点人吉に到着しました。僕は降りるやいなや改札を出て荷物をコインロッカーに預け、再び改札を抜けてホームへ戻りました。駆け込んだのは16:08発の1078D特急「九州横断特急8号」。この日はまだ旅に続きがあるのです。
「九州横断特急8号」はキハ185系の2両編成。先頭2号車自由席車の先頭の席に座るとガラス張りなのでデッキや運転席が見通せます。女性乗務員が乗っているのに運転席には「ワンマン」の掲示があるのはへんだなあと思ったのですが、検札も切符の収受もするし、車内販売もするこの女性乗務員は「客室乗務員」であって「車掌」ではないので列車はあくまで「ワンマン」なのだとか。「車掌」になるには更に何ができなければならないのでしょうか?
一勝地に到着した九横特急8号。
と思っている間に、わずか14分で列車は一勝地に到着。ここで下車です。かつて2面3線だった構内はホームも広く、どっしりと落ち着いた雰囲気。駅舎も白壁に黒瓦の立派な建物です。中にはJAが入っていて委託管理をしているようです。「一敗地に塗れる」とは言うけれど「一勝地に塗れる」とは言わんなあなどとくだらないことを考えましたが、甲子園球児たちが必勝祈願で入場券を買うようになってから年間4000枚ほどの売り上げ実績があるのだそうです。
これまた風情あふれる一勝地駅。
必勝祈願に人気だとか。
もう11月でしたが、九州ならまだまだ紅葉が見られると思い、出発前に地図とにらめっこをし、一勝地駅から隣の那良口駅までなら、球磨川の駅とは対岸の国道219号線ではなく、線路沿いにも道があり、この道を歩いて球磨川の渓流と紅葉を見られそうな気がしたので、こうして一勝地駅で降りたのです。
一勝地駅を出て右へ折れるとすぐに球磨川を渡って国道219号線に出る球磨橋があり、それとは分かれて右へ進むと、線路沿いの道に入っていきます。これがまた地図を見ながら想像していたのよりもはるかに鄙びた道で、舗装されてはいますが、車がすれ違うのはけっこう難しいのではないかと思うほど幅は狭く、実際ほとんど車は走ってきません。那良口方面に向かって左側はすぐに球磨川の流れ、右側は切り立った崖と線路で、球磨川の自然を楽しめる意外な散策コースでした。
一勝地駅を出て右へ折れるとすぐに球磨川を渡って国道219号線に出る球磨橋があり、それとは分かれて右へ進むと、線路沿いの道に入っていきます。これがまた地図を見ながら想像していたのよりもはるかに鄙びた道で、舗装されてはいますが、車がすれ違うのはけっこう難しいのではないかと思うほど幅は狭く、実際ほとんど車は走ってきません。那良口方面に向かって左側はすぐに球磨川の流れ、右側は切り立った崖と線路で、球磨川の自然を楽しめる意外な散策コースでした。
水は少なめか、球磨川渓流。
ところが、半分ほど歩いたところで、路肩に突然バス停が出現。ほとんど車通りがなく、しかも周囲には集落らしいものはまったく見あたりません。どうしてこんなところにバス停が?(・_・?)? 確か「八貫」という名称のバス停だったと思います。いったい誰が利用しているのでしょう?もしや、ここでバスを待つ幽霊が出て、バスが来ないので通りかかる自家用車を手を挙げて止めるということが頻繁に起こったので、その幽霊のためにバス停を作ってあげたのだとか?いやいやまさか。そんなことをしたら幽霊がバスに乗ってきてしまう。このバス停から、バスに乗ってみたい……。
写真左が線路と狭い道路。
11月ということで水は少々少なめのような気がしましたが、球磨川の流れと周囲の紅葉を楽しみながら歩くこと約一時間、秘境駅と呼んでもよさそうな小さな駅・那良口駅にたどり着きました。コンクリート塀の囲いがあるだけで秘境駅というのはいささか風情に欠けますが(笑)、あたりに集落らしい集落は見当たりません。
やがて一勝地方面からやってきたのは人吉行き普通列車1233D。那良口発17:39で、終点人吉には17:52到着です。
やがて一勝地方面からやってきたのは人吉行き普通列車1233D。那良口発17:39で、終点人吉には17:52到着です。