【社説】ダイヤ改正前日（日本海3号）

▲今日14日、終点青森に到着した「日本海3号」の牽引機はEF81-106。ヘッドマークが凛々しいです。

　2008年3月14日、JR全国ダイヤ改正の前日です。

　実家の用事で青森に来ております。この期間は更新をお休みしているところですが、でも今日は青森駅へ行ってしまったので、やっぱり一本記事を書こうと思います。

　昼前の青森駅。

　11:40に2番線から八戸行き16M「つがる16号」が今日は485系3000番台に差し替えになった運用で出発していくと、青森駅構内はどのホームからも列車の姿が消えてすっからかんに。

　しかし、待つこと数分、4番線に列車が入ってまいりました。大阪からの寝台特急4003ﾚ「日本海3号」、定刻どおり11:48の到着です。今日の牽引は敦賀所属、ローズピンクのEF81-106でした。後ろから1号車2号車の順で6号車の次が11号車と12号車（12号車は開放A寝台）、そしてカニが1両という短い編成です。「日本海3号」がこうして青森駅に到着するのも今日と明日限り。車両のほうは「日本海1/4号」のスジで生き残る「日本海」でまだ使われるらしいですが、「日本海2/3号」としての運行は3月14日の各始発駅出発を以て廃止です。11:48という時間帯にこうして「日本海3号」を青森駅で迎えることができるのも今日明日限りとなったわけです。

青森駅4番線に定刻到着。

EF81-106の「敦」プレート。

　しかし、「日本海3号」が明日で姿を消すというのに、青森駅のホームでこれを迎えようとか写真を撮ろうとかいうファンらしき人は、一人もいませんでした。ドアが開いて青森駅に降り立った乗客もごくわずか。降りた乗客がこちらにやってきてEF81の雄姿を収めようというのもありませんでした。仕事を終えたEF81-106は、いつものように坦々と切り離され、海側へ引き上げていきました。最後尾車両にはこれまたいつものようにDE10-1122が連結され、車両センターへの引き上げ回送の準備が整います。反対側の3番線には11:50に八戸からの4003M特急「白鳥3号」函館行きが到着し、そちらのほうで人の動きが見られましたが、「日本海3号」のほうは早々とドアが閉められ、行き先表示幕の蛍光灯も消されて、その車体を振り向く人さえいません。

▲がらんとしたホーム。降り立った乗客はわずかで、写真を撮りに来る者さえいない。

EF81が去るとカニが顔を出す。

　「日本海3号」はこれから車両センターに引き上げて、16:45に「日本海2号」として出発するまで一休みです。この車両、この編成が「日本海2号」のラストランを務めるのです。
　昨日今日と、東京駅や大阪駅、長崎駅、熊本駅などは「銀河」や「なは・あかつき」の廃止を惜しむ人々で大騒動になっていることでしょう。今夜の「銀河」の寝台券は発売30秒で売り切れたと聞きます。そんな雰囲気とはまったく縁がないかのように、「日本海2/3号」の廃止を見送る青森駅はあまりにひっそりとしているようです。もちろん、「日本海」が完全廃止ではなく、一往復体制とは言え存続するからという事情の違いはあるでしょう。それでもやはり、何度かお世話になった「日本海2/3号」がなくなってしまうのは、僕にとっては寂しい限りです。車両センターへ単機で引き上げていくEF81-106を見送りながら、よくがんばって走ったねと心の中で声をかけてあげました。

単機で引き上げるEF81-106。

▲最後尾には入れ替え用のDE10-1122が連結されて車両センターへ向かう準備が整う。