毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

北朝鮮見てきました(その4)

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 2006年10月2日、丹東→瀋陽。

 北朝鮮も見てきたし、そろそろ瀋陽へ帰るとしましょう。

 瀋陽へは列車で帰ります。
 丹東から瀋陽北駅までの鉄道線「瀋丹線」は280㎞です。速い列車だと3時間25分で行きますが、夕方に出る列車は17:14発と18:27発の二本しかなく(18:27発の列車は丹東発の最終列車)、そのうち後者は北京行きで切符がとりにくいので、結局17:14発の6624次普慢列車に乗ることにしました。「普慢」とは「普通慢車」、短距離の鈍行列車といったところでしょうか。丹東から終点瀋陽北まで5時間56分かけて走ります。のろいです。

 冒頭の写真は丹東駅です。駅前には毛沢東像が屹立しています。毛さん、どこ指さしてんの?

 中国の駅、しかも始発終着列車がある駅としては、丹東駅は比較的こぢんまりとしています。待合室もそんなに広いとは言えません。しかもその日に出発する列車があと二本だけとなったこの時間帯では、混雑もありません。
 ちなみに、北京と北朝鮮の平壌を結ぶ国際列車もこの駅を通ります。この駅で出入国審査や通関検査を行うので、その意味では丹東駅は立派な国際ステーションです。偉大な領袖金日成総書記や金正日総書記が中国を訪問する時などに利用する特別列車(北朝鮮版お召し列車って言うんですか?)も必ずここを通っていきます。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201650.jpg 丹東駅の待合室。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201657.jpg 待合い区画を案内する掲示板。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201702.jpg 6624次列車のサボ。

 列車はわずか7両編成。15両~18両編成が普通の中国鉄路で7両編成というのは最も短い部類に入るのではないでしょうか。さすがローカル線の鈍行列車!
 7両のうち5両が「硬座車(直角座席普通車)」、1両が乗務員用「硬臥車(日本で言えば三段式B寝台)」、1両が荷物車(郵便車だったかも)でした。

 列車は17:14、定刻に丹東を出発。丹東から劉家河までの約100㎞は各駅に停車し、そこから先は快速運転っぽくなります。丹東~鳳凰城間の約60㎞には7つ駅がありますが、そのうち6駅は、一日のうちに停まる列車がこの列車一本だけという石北本線上川~白滝間も真っ青の過疎区間。ホームもろくにないようなこれらの駅に、6624次列車は丁寧に停車しては、丹東から乗ってきた地元民たちを降ろしていきます。客車ですから、駅に停まるとすべての音が止んでしーーんと静かになります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201710.jpg張家堡駅。ホームはないが乗降可。

 車窓はおおむね山の景色が続きますが、やがて夜の帷が降り、ほとんど明かりの見えない闇の中を列車はごとんごとんと瀋陽を目指します。
 通遠堡を出ると、列車は残りの160㎞をひと駅にしか停車しない快速運転で突っ走り、終点瀋陽北には夜もとっぷりと更けた23:10に定刻到着でした。

 路線バスのネットワークも発達し、高速道路も通った今、この列車で丹東から瀋陽までを乗り通す人はそれほど多くはないでしょう。それでもこの列車しか停まらない駅をはじめとする地元民に支えられながら、6624次列車はまだまだがんばっています。

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 最後に、今回買ったきっぷをご紹介。
 「硬座普客臥」というのがこのきっぷの種別で、日本で言えば「普通列車の乗車券+三段式B寝台下段寝台券」と言ったところでしょうか。乗車したのは2号車6番下段です。
 2号車は本来乗務員用の寝台車なのですが、乗務員だけですべての寝台が埋まるわけではないので、車内を区切って半分ぐらいを一般乗客にも割り当てているのです。昼行列車にも寝台車がついていることが多いので、中国鉄路では堂々と寝台車のヒルネが楽しめます。
 約6時間の寝台車の汽車旅が57元(=約860円)。いかがでしょう、みなさんも中国へ汽車の旅をしにいらっしゃいませんか?ご案内しますよぉ~~(^_^)/。