毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

北朝鮮見てきました(その3)

 2006年10月2日、中国丹東。

 丹東の市街地から鴨緑江沿いに20㎞ほど北上すると、「一歩跨」という観光スポットがあります。

 観光スポットと行っても、幅が5mあるかないかという小川が流れているだけなのですが、この川は観光客が多く訪れるようになったため最近になって広げられたとのことで、以前は本当に「一歩で跨げる」ぐらいの幅の川だったそうです。
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↑観光スポット「一歩跨」。「中朝辺境」とも刻んである。

 そうです、この小川が、北朝鮮との国境になっているのです。
 この川の向こう、トウモロコシ畑が広がっていますが、そこはすでに北朝鮮です。
 こんなに幅が狭かったら人が自由に行き来できるじゃないか!と思ってしまいます。確かにやろうと思えば簡単にできそうです。
 しかし、畑の向こうには監視塔のようなものも見えていますし、この小川沿いに北朝鮮兵士とおぼしき軍服を身につけた人が自転車で巡回もしているらしいので、実際はそう簡単には行き来はできないでしょう。

↑この小川の向こう(写真上部)のトウモロコシ畑が北朝鮮。

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↑この川が国境。正面の岩山があるほうが中国、左の草むらが北朝鮮。

 「一歩跨」の近くには、万里の長城の一部であるとされる「虎山長城」の城壁跡が近年発見され、その城壁を復元して新たな観光スポットになっている(これはけっこうしょぼいのですが)ので、その城壁に上って見渡してみると、北朝鮮がさらによく見渡せます。

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↑復元された虎山長城の城壁から見下ろすと国境の小川が見える。左が中国、右のトウモロコシ畑が北朝鮮。
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↑岩山の頂上から。画面左を流れる川をはさんで右が北朝鮮。
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↑上の写真からぐるりと視線を右に回すと、北朝鮮側の集落が目に入る。白壁とおぼしき平屋か二階屋の家屋が整然と並んでいる。農場だろうか。


 今回ご紹介した写真は、撮影が禁じられている場所でこっそり撮ったとかそういう類のものではありません。観光客が自由に行ける場所で、撮影も認められている場所で、誰にもとがめられずに堂々と撮影したものです。
 中国と北朝鮮はやはり「お隣さん」であり、こうして国境を接した場所でも、格別緊張することなく人や物が普通に行き交っています。06年10月9日に北朝鮮が核実験を実施した時も、そのあとも、このあたりではいつもと変わらぬ行き交いが続いていたことを最後に付け加えておきましょう。

 さて、瀋陽へ帰りましょう。次回いよいよ鉄道が登場します!(笑)