毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

北朝鮮見てきました(その2)

 2006年10月2日、中国丹東。

 中国と北朝鮮の国境になっている川、鴨緑江。この鴨緑江に漕ぎ出でて対岸の北朝鮮へ接近する遊覧船に乗り、北朝鮮へ「泳いで渡れる距離」から撮った写真を何枚かご紹介しましょう。

 向こう岸、すなわち北朝鮮側は、全体に土地は平らで林が広がり、その木々の間を縫うようにして、二階建てか、せいぜい三階建ての建物が点在しているのが見えるという感じです。船積み用のクレーンや工場らしき建物もありますが、稼働している様子はありません。

 まずは丹東からつながる橋の向こうに見えた小さな観覧車のあたりをアップにして見てみましょう。
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↑観覧車のあたりをアップにしてみますと……

 遊覧船は橋の下をくぐって北朝鮮側にぐぐっと近づき、時には対岸に繋留してある北朝鮮の船に触れるぐらい近付きながら鴨緑江を下ります。川沿いの道や繋留された船の甲板に北朝鮮の人々がいるのが見えます。こちらに目を向ける人もいますが、近付いてくる遊覧船の数があまりに多いので見られるのにすっかり慣れてしまっているのか、特にこちらに関心があるというふうでもありません。軍服を着た人や、制服姿の女学生っぽい人や、ごくごく普通の庶民とおぼしき人が見え、金正日総書記を讃えるスローガンが書かれた横断幕もよく見えました。
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↑北朝鮮側の岸にうち捨てられたように見える老朽化した船。
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↑北朝鮮の人々が見える。学校の制服のような服を着た女性も。
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↑赤い横断幕には「21世紀の太陽金正日将軍万歳!」。
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↑散歩を楽しむ中年夫婦か。木と木の間に見える文字は「偉大なる金正日将軍万歳」。

 中国丹東側へ目をやってみると、川沿いの広いエリアでマンションやオフィスビルなど高層ビルの建設ラッシュが続いており、中国経済の活気を感じさせます。北朝鮮側とはあまりに好対照。

 この両岸の対照がもっと際立つのは夜になってからです。夜、すっかり日が落ちてから鴨緑江の川べりにやってくると、まず対岸の暗さに驚かされます。川の向こうがとにかくひたすら真っ暗なのです。電気が供給されていないからなのか、灯火管制のように意図的に点灯しないようにしているのかはわかりませんが、蛍ほどの明かりも見えず、どこが建物でどこが観覧車でどこが船でどこが林なのかまったく見分けがつかないほど暗いのです。
 その暗さに驚いたあと丹東側に目を戻すと、今度はその明るさに度肝を抜かれます。川沿いに並ぶレストランやホテルやカラオケ施設等々が放つネオンや看板の明かりが煌煌とハデハデにビガビガに点って、自由で愉快な夜がそこにあることを誇示しています。
 真っ暗闇の中のどこかにいるであろう対岸の人々は、川の向こうに見える原色の明かりを見て何を思っているのでしょうか……
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↑こちらは中国丹東側。マンションなどの建設ラッシュが続く。
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↑鴨緑江の中間あたり。左が北朝鮮、右が中国。

 次回、北朝鮮に、もっと近付いてみます!