毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

2007・年納め全国どさまわり行(その17;0系が肩を並べて)

【2009年10月24日の追記】

 2007年暮れのどさまわり旅日記を、書庫移設に伴いリバイバル掲載しています。

 東海道・山陽新幹線の0系には縁もなじみもなかったのですが、こうして、塗装が変わってからとは言え、改めて近くで見て実際に乗ってみると、0系車両の良さを身にしみて感じることができました。新尾道では、間に追い越し線を挟んでのこととは言え、0系どうしが肩を並べるシーンにも遭遇できてうれしかったです。

 登場当時には大きな驚きをもって迎えられ、夢の超特急の車内で軽食を楽しみながら過ごすことができるビュフェもまた大勢の人でにぎわったことでしょう。僕が乗ったこのときは、来ることのない客を待つでもなく、ひっそりとしたたたずまいを見せていたのが、これまた印象的でした。日本の成長とともに走り続けた0系に乗れて、ほんとうによかったです。

---------------------------------------

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818135742.jpg ▲なんて丸い、人を和ませるシェイプなのでしょう!

 2007年11月30日、0系「こだま」。

 さて、新大阪12:15発広島行き「こだま657号」の車内整備が終わり、いよいよ乗り込みます。0系車両の6両編成で、4号車が普通車指定席の他はすべて自由席。1号車と6号車は喫煙車なので、僕は2号車に乗車します。車内は寂しいほどにがらがらで、乗る方にとっては余裕のくつろぎぶり。2列シート×2列シートなのでゆったり度も十分です。車体は確かに古いかもしれませんが、「のぞみ」に乗るほど急ぐ旅でなければ、こうして「こだま」でのんびり行くのも悪くないです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818135732.jpg 2×2シートでゆったりと。

 「こだま657号」は姫路で8分、新倉敷で3分、新尾道で5分の追い抜かれ停車があります。停車時間があるたびにホームに降りてみますが、僕にとってはなじみのない駅ばかりで、車窓の景色もほとんど未知の世界。その新鮮さに、寝ている余裕がありません(^-^)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818135712.jpg 13:44、新倉敷到着。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818135751.jpg 14:10、新尾道到着。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818135746.jpg 14:35、東広島到着。
 
 新尾道では、0系「こだま」が肩を並べました。向こうは「こだま648号」のようです。車体のカラーリングこそ違え、あるいはホームいっぱいに停まるのではないにせよ、0系車両が並び合う姿は、新幹線開業当時を彷彿とさせるのではないでしょうか。向こうが福山に向けて発車してしまうとこちらもまもなく発車です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818135737.jpg新尾道では0系どうしがご対面。

 ところで、6両編成の0系「こだま」の3号車はビュフェ車両です。もちろん営業はしていませんが、ビュフェ部分は今もそのままで、テーブルや椅子、厨房カウンターが、まるで開店直前のように整然と並んでいます。そもそも列車全体が空いているので、新大阪~広島間を通じてビュフェ部分にやってくる乗客など誰もいませんでした。僕は缶コーヒーをテーブルに置いてしばらくそこに腰掛け、窓外を見やりながら、「夢の超特急」のビュフェが大勢の人々で賑わっていた頃のことを想像してみました。そんな想像をするにはいかにも寂しすぎましたけれど。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818135718.jpg 今も残るビュフェスペース。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818135722.jpg 使われなくなって久しい厨房部分。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818135727.jpg ▲かつては多くの人がこうして流れる景色を眺めながらビュフェでのひとときを楽しんだのでしょうね。

 初冬の短い日が傾きかけてきた頃、「こだま657号」は終点広島に到着です。次は博多行きに乗り換えます。