毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

臼杵竹宵、秋の灯はほのかに⑫(矢岳越え)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113548.jpg ▲大畑駅を出発し下り勾配へさしかかっていく「しんぺい2号」。

 2005年11月7日(月)、矢岳越え。

 日本三大車窓でいったん停車してくれた「しんぺい2号」は、矢岳トンネルを抜けてやがて矢岳駅に到着します。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113558.jpg 駅舎は1909年開業当時のままか。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113553.jpg 駅名標からして昔懐かし。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113603.jpg もう100年近く列車を見守る。

 肥薩線最高所にある矢岳駅の標高は537m。ここもまたすばらしい木造駅舎がしっかりと残されています。駅舎の隣にはSL展示館があり、その中で静態保存されているのは貨物用蒸気機関車D51-170号機。ここには以前「58654」機関車も一緒に保存されていたのが復元されて「SLあそBOY」として復活し、活躍したそうですから、もしかしたらこのD51-170号機もいつか本線へ復活する日がくるかもしれません。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113608.jpg 静態保存されるD51-170号機。

 「しんぺい2号」は矢岳駅でもしばらく停車時間があるので、SL展示館をのぞいていくことも十分可能です。D51-170号機をじっくり手で触れながら眺めるのもよし、明治42年(1909年)に開業した当時のままではないかと思われる木造駅舎を眺めるのもよし、停車時間を利用して、山間の小駅ののどかなひとときを十分に楽しむことができます。

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            ▲秋晴れの一日、ホームでのんびり日に当たりながら日がな一日過ごしたいもの。

 そして矢岳駅を出発すると、次は大畑です。青森県民の僕にとっては「大畑」と聞くと、かつて下北半島にあった「大畑線」の「大畑(おおはた)駅」がまず最初に思い浮かびますが、九州の「大畑」は「おこば」と読むそうです。矢岳越えをクリアした列車はぐるりと右へループを描いてゆっくりと勾配を下り、転向線へ入って停車すると進行方向を変え、大畑駅のホームへと入っていきます。

 「青春18きっぷ」のポスターにも登場したことがあり、ループ線とスイッチバックが連続することで全国的に有名な大畑駅。列車に乗ってばかりでただ通り過ぎるのはもったいないので、ここでいったん下車します。停車時間のうちに構内のはずれのほうへ移動し、発車していく「しんぺい2号」を見送りました。