毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

臼杵竹宵、秋の灯はほのかに⑩(嘉例川駅)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113419.jpg ▲肥薩線嘉例川駅、そして山間へ延びる鉄路。

 2005年11月7日、嘉例川駅へ。

 朝の妙見温泉は朝霧に包まれ、川の流れを聞きながらの散歩はいたって爽快。この霧が晴れれば青空が広がりそうな天気です。朝風呂に浸かり、朝食をもりもり食べて、妙見温泉「おりはし旅館」をあとにします。昨日の雨の名残か朝露か、別れ際の「おりはし旅館」はしずくの輝く木々の中から静かに僕を見送ってくれました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113424.jpg 朝の妙見温泉街。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113429.jpg 森に囲まれたおりはし旅館。

 妙見温泉吊り橋前から09:43発の温泉バスに乗ります。前日借りた傘を返し、山合いを揺られること15分弱でバスは肥薩線嘉例川駅に到着します。
 嘉例川駅は近年すっかり有名になりました。1903年に開業し、木造駅舎がそのまま残る嘉例川駅は、2003年に開業100周年を迎えて以来、「百年の旅物語 かれい川」というオリジナル駅弁を売り出したり、九州新幹線開業に合わせたダイヤ改正で観光特急「はやとの風」が運行されて嘉例川駅で写真撮影などができる停車時間を設けたりして、嘉例川駅を知る人は格段に多くなりました。

 実際に訪れてみると、確かにこの木造駅舎は趣深い。九州にはこんなふうな木造駅舎がたくさん残されていて、しかも大切に管理され今も現役の駅として活躍していて、ほんとうにうらやましく感じます。100年を超えて活躍する駅舎の細部を眺めて、この駅がたどった鉄道史の一部分に思いをはせるのは悪くない体験です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113433.jpg 肥薩線嘉例川駅。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113437.jpg 木造駅舎っていいですねえ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113442.jpg 営業開始明治36年1月15日。

 などと考えているうちに、吉松行きの7022D特急「はやての風2号」がやってきました。初めて見る漆黒のキハ140/147系です。嘉例川では5分ほど停車して観光タイム。また、この列車の発着に合わせているのか観光バスもやってきて、観光バスの乗客たちも駅やホームに群がって撮影タイム。このあとも観光バスは頻繁にやってきては撮影タイムのあと立ち去っていきます。大勢の観光客が嘉例川駅を訪れていますが、その多くが列車を利用して来ているのではないような気がしたのが少し残念でした。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113447.jpg 「はやての風」が吹いてきた。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113453.jpg 一度は乗ってみたいものだ。

 「はやての風2号」は10:20、霧島神宮方面へ向けて白煙を上げて立ち去っていきました。山と山の間へ消えていく「はやての風2号」の頭上を旅客機が通り過ぎます。ここは鹿児島空港からかなり近い位置にあるようです。
 次に姿を現したのは吉松からの隼人行き普通列車8251D。こちらは白地に青い帯のノーマルカラーでのどかな雰囲気を醸し出します。乗客の乗り降りも多くなく、先ほどの観光駅然とした表情は消え、ローカル路線の一小駅の表情に戻ります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113457.jpg ▲吉松へ向けて出発進行。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113503.jpg ローカル列車にローカルな小駅。

 さて、こちらは10:51発の吉松行き普通列車4226Dで嘉例川を離れ、吉松を目指します。

イメージ 11
                             ▲嘉例川駅開業百周年記念碑。