毎日ヶ原新聞

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臼杵竹宵、秋の灯はほのかに⑨(妙見温泉)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113344.jpg ▲鬱蒼とした林に覆われた妙見温泉「おりはし旅館」。

 2005年11月6日、妙見温泉

 都城から乗った6947Mを隼人で降りました。初めて降りる隼人駅は、九州新幹線開業に合わせて改装され、竹に覆われたおもしろいデザインの駅舎になっていました。ここから14:50発の鹿児島空港行き「温泉バス」に乗ります。「温泉バス」は妙見温泉振興会が運行する、霧島市一帯の温泉を訪ねるのに便利なバスです。温泉券のついた「温泉パスポート」を利用するとおとくです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113349.jpg 竹細工のような隼人駅

 14:50に隼人駅を出ると、どしゃぶりの雨が降ってきました。隼人駅から20分弱の妙見温泉に着く頃にはワイパーも効かないほどの激しい雨。妙見温泉の吊り橋前に着いて、宿にはその吊り橋を渡っていかなければなりません。すると運転手さんが、車内備え付けの傘を貸してくれました。翌日もこのバスに乗るつもりだったので「では明日お返しします」と言って貸していただきましたが、このバスに乗る予定でなければどうやってお返しすればよいのでしょう。運転手さんはそんなことなど気にもとめず、快く傘を貸してくださいました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113409.jpg 雨に煙る妙見温泉街。

 吊り橋を渡ってやってきたのは、創業明治12年妙見温泉「おりはし旅館」。島津家家臣の久木田五介が西南戦争より帰り、キズ湯として湯治場を設けたのがはじまりとされ、敷地はなんと7万坪。本館、離れ、自炊棟、別館「山水荘」があり、その中に露天風呂、内湯「梅の湯」、貸切風呂「藤の湯」そして「キズ湯」という浴場が設けられています。敷地内は鬱蒼とした林に覆われ、宿にたどり着くや上がった雨の名残がその林を縫うようにたちこめ、山あいのひなびた気分をさらに高めてくれています。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113355.jpg 林の奥には離れが。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113416.jpg 露天風呂。一人で独占。

 到着時間が早かったので、他にお客さんが来ているふうでもなかったので、「藤の湯」、「キズ湯」、露天風呂とさっそくハシゴ。特に、42℃が一般的な妙見温泉の中で「おりはし旅館」にだけ自噴する「キズ湯」は32℃という冷泉で、浴槽に首まで浸かってじっくりじっくりと長風呂をしていると温泉が体のすみずみまでしみこんでくるような気がします。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113400.jpg 別館「山水荘」の温泉。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113405.jpg 手前のゆらめきが「キズ湯」。

 風呂から風呂へ移るにも林の中、風呂上がりの散歩も林の中、風呂上がりにちょっと敷地の外に出てみると吊り橋があり、川の流れの音を聞きながらの散歩を楽しむことができる妙見温泉。このとき初めて訪れましたが、なんだかクセになりそうです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113412.jpg ▲本館玄関の雰囲気もなかなか。