毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

またもどさまわり⑰(そして東北本線)

【2009年9月14日の追記】

 みなさま、たいへんごぶさたいたしました。夏休みを終えてまた北京に戻ってきまして、今日から記事更新再開です。

 2年前のどさまわり旅行の記事を、書庫移設に伴いリバイバル掲載してきましたが、今回が最終回です。

 この記事にも書きましたが、青森から東京まで鉄道で行こうとしたとき、今や最終が青森発18:46というのはあまりに早い!これではいくらその日のうちに東京に着けると言っても、青森での仕事が終わってからではほとんど間に合わないし、余裕もないし、東京に夜11時に着いてももう何もできません。もし「北斗星2号」が残っていれば青森発00:11ですし、もし「はくつる」や「ゆうづる」が存続していれば夜8~10時台までゆっくりでき、翌朝関東圏に着いてそのまま行動できます。でも、そんな夜行列車はすべてなくなってしまいました。悔しい。その役割はすべて夜行バスに任せたということでしょうか。鉄道がそのようなにーずの輸送を放棄してよいのでしょうか……

 というわけで、リバイバル掲載の最終回、どうぞ。

------------------------------------

イメージ 1

 急遽降ってわいた青森~佐賀一泊二日のどさまわり往復も無事終わり、実家でひと息入れて、また瀋陽へ戻るときがやってきてしまいました。

 2007年9月4日、まずは東京へ向かいます。

 ぎりぎりまで実家にいようとすると、青森停車の「北斗星2号」なき今となっては、最終の「白鳥」+「はやて」のリレーしか選択肢はありません。最終の4034M特急「白鳥34号」の青森の発車時刻は18:46です。
 
 青森駅の3番線には18:32発の大湊行き3538D快速「しもきた」が停まっています。キハ110系の単行です。9月に入って日もすっかり短くなりました。「しもきた」の向こうに青森ベイブリッジが明るく浮かび上がっています。

イメージ 2

 ふと見つけたのは、正式な名称は知りませんが、出発列車表示器とでもいうのでしょうか、三つの黄色いランプです。「東京方」「福島方」「三厩方」というプレートがついたランプのうち、入線している列車の向かう方面のランプが点灯しています。「東京方」とはもちろん東北本線の上り列車を指し、「福島方」は奥羽本線、「三厩方」は津軽線の列車というわけです。
 今や、ここから東北本線経由で東京へ向かう列車も、福島へ向かう列車も、一本とてありません(運転停車の「カシオペア」はありますが)。「東京方」は、列車がないどころか、東北本線という路線そのものが分断されているのです。「三厩方」は今は一日たった一本、三厩まで直通する列車が残るのみです。
 「福島方」と聞いてもぴんと来ないかたのほうが実は多くなっているのではないでしょうか。山形新幹線の開業以来、奥羽本線の起点・終点は福島と青森だという事実をよそに、新庄、あるいは秋田・大曲を境に実質的には分断されているに等しい状況です。

 このランプを眺めていると、このホームから発車していった「十和田」や「八甲田」、「津軽」といった急行群や「はつかり」「ゆうづる」「はくつる」などの往年の特急たちの姿が目に浮かびます。いずれも長い編成がこのランプの横を通り越してずっとホームのはずれにまで伸びていたはずです。

 さて、函館からの「白鳥34号」が到着しました。進行方向を変えて八戸へ向かいます。最終の「はやて」に接続して、東京着は23:08です。ほうぼう訪ねた今回のどさまわり出張もこれでだいたいおしまいです。まだまだ残暑が厳しい、というかまだ真夏並みの暑さが続く東京へなんか戻りたくないけれど、「白鳥34号」は18:46、定刻の発車です。

イメージ 3