またもどさまわり⑩（東海道本線つづき）

【2009年8月19日の追記】

　2年前のどさまわり記事、引き続きリバイバル掲載中です。

　僕は温泉好きですが、熱海というところに行ったことがありません。熱海で降りたのは、2年前のこのとき、仕事で熱海市役所へ行かねばならなかったのが初めてでした。その後今に至るも、熱海市役所には行ったことがあるが熱海の温泉に浸かったことはないという状況が続いています。駅前の足湯も利用してみたかったですが、8月の暑い盛りだったので足を浸ける気になれませんでした。いつかは熱海の温泉にもゆっくり入ってはみたいんですけどね。

－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－

▲熱海駅前で余生を過ごすかわいい軽便蒸気機関車。

　2007年8月28日(火)、横浜、熱海。

　11時過ぎに横浜での仕事を終えた僕は、次なるアポイントへ向けて横浜発11:58の3757M快速「アクティー」に乗って熱海を目指します。いちばん後ろの車両に陣取って、熱海までのんびり1時間09分のショートトリップです。

　熱海到着は13:07。温泉に入りにさえ来たことがないのに、いきなり仕事で来てしまった熱海。そうなんです、熱海の温泉に入ったことがないんです。
　新幹線寄りの4番線では13:13発の沼津行き1439Mが出発を待っています。211系の3両編成です。LL12編成という表示が見えます。そうそう、東京駅、東海道本線と言えば113系、115系にこの顔だったのに、今やこの顔が東京駅に現れることはかなり少なくなってしまったのでしょうね。

ちょっと早めに熱海到着。

熱海発沼津行き211系1439M。

　快速で来てしまったこともあって、15時のアポまでまだしばらく時間があるので、なんとなく「昔ながらの」という言葉が似合う温泉街の一角っぽい駅前デパートに入っている喫茶店で珈琲を飲みながら時間をつぶしました。

　仕事が終わって駅に戻ってきたのは午後4時過ぎ。16:15発の東京行きは見送って16:36発に乗ることにし、まずは駅から続くおみやげ屋さんストリートをうろうろします。やはり干物が多いですねえ。キンメダイ、エボダイ、サバのみりん干しの三種を購入し、さらにどうも熱海名物らしい「じゃがバタ天」なるかまぼこというかさつま揚げというかそういうものも買い込んで、さて、少しは熱海に来た気になったでありましょうか。

崖を背にした熱海駅。

　おや、熱海駅前には足湯がありますね。「家康の湯」というのだそうです。この暑いのに大勢の人でにぎわっています。足湯の目の前には、富士山の溶岩か何かでできているのでしょうか、ごつごつした岩山があり、その中に小さい間欠泉があって4分に一回温泉を噴き上げるのだそうです。
　その隣には小さな蒸気機関車が保存されています。これは明治時代末期～大正年間に小田原～熱海間を結んでいた「熱海鉄道」の軽便蒸気機関車なのだそうです。なんという形式の機関車なのでしょう。関東大震災を期に廃止され、旧国鉄鷹取工場に教材として保存されていましたが、鷹取工場の廃止により地元・熱海に戻ってきたのだとか。

足湯、間歇泉、蒸気機関車。

　さて、ホームに上がると、1番線には一目で東急からの払い下げだとわかるステンレス電車がいました。伊豆急8000系電車です。でも伊豆急のHPによれば、海側座席はクロスシート、山側座席はベンチシートで東海岸の絶景が楽しめるのだそうです。16:35発伊豆急下田行き5657M、発車です。

▲伊豆急8000系電車。
　
　さて、こちらは迷わず、16:36発伊東始発の東京行き526Mのグリーン車に乗り込みます。平日なのでホリデー料金より高めですが、いいんです、めったにない機会なんだから。
　車両はE231系ですからグリーン車は2両とも二階建てですが、車端部の平屋席を陣取ります。なんと東京までの1時間47分の間、他に誰も乗客はありませんでした。グリーンアテンダントのおねえさんから買った缶コーヒーを飲みながら、グリーン車を独占し太平洋を眺めながらの帰路でした(^-^)。

東京までグリーン車に乗ります！

車端部の平屋部分を貸切で。

▲熱海から小田原へ、太平洋を眺めながら快適快適。