臼杵竹宵、秋の灯はほのかに①(サンライズ瀬戸)
▲東京駅21:50、9番線に「サンライズ瀬戸/出雲」入線。
10月に入り、猛暑酷暑だった日本各地もさすがに秋めいてきているのではないでしょうか。
秋のおまつりで好きなものがあります。それは大分県臼杵市で毎年11月の初めに行われる「臼杵竹宵」。大林宣彦監督の映画「なごり雪」でそのシーンを見てとても穏やかで静かで美しいまつりだと知って、ずっと行きたいと思っていました。そして二年前の2005年11月に、初めてこの竹宵を見に行くことができました。
今年も臼杵竹宵まであと一ヶ月になりましたので、今日から二年前の竹宵の旅をお届けしようと思います。この年のの8月に臼杵大仏の火祭りを見に行ったのですが、竹宵もどうしても見たくて、たった3ヶ月しか経っていないのに、また臼杵へ出かけてしまったのです。
2005年11月4日(金)、東京駅。
大分臼杵のおまつりに行くのにどうして「サンライズ瀬戸」なんだと思われるでしょうけれど、まあよいではないですか。客車時代の「瀬戸」も含めて「高松行き」の行き先表示を掲げる列車に乗るのはこの日が初めて。東京駅の大丸デパートであれやこれやとおつまみやら弁当やらお酒やらを買い込んで、9番線で入線を待ちます。
夜汽車減りて寂しき9/10番線。
21:50、「サンライズ瀬戸/サンライズ出雲」が9番線にゆっくりと入線しました。木の温もりを活かしたインテリアが評判だという285系電車の14両編成です。ほとんど二階建て仕様の車両がずらりと9番線を埋め尽くします。僕は今回は連れがいるので、4号車一階にある「サンライズツイン」に入居します。窓の下側がホームの高さと同じですが、室内は思った以上に広く、温かい室内灯に照らされて、そこはちょっとしたホテルの一室と比べてもひけをとらないほどです。
こちらサンライズツイン。
窓は低いが居住性バツグン!
22時ちょうど、高松・出雲市行き「サンライズ瀬戸/サンライズ出雲」は静かに東京駅を出発しました。横浜、熱海、沼津、富士と停車するうちに夜は更けていきますが、個室でるから誰に気兼ねすることもありません。おつまみ類をテーブルに広げ、ワインのボトルを抜き、遅めの夕食会を始めます。室内にはプラスチックのコップやゴミ箱も備え付けられて居住性は抜群です。ぎりぎりまで仕事をしていた連れは頃合いを見計らって3号車へシャワーを浴びにいきます。列車に飛び乗ってからでもシャワーを浴びて一日の汗と疲れを流せるというのは格別です。
窓の位置は低くても、どうせ外は漆黒の闇。時折流れゆく灯りを眺めるともなしに眺めながら杯を傾けているうちに静岡到着。もう日付が変わっています。翌日も早いし、そろそろお開きということにいたしましょう。
▲終点高松までは804.7km、9時間26分の旅。