毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

またもどさまわり⑥(象潟九十九島)

【2009年8月12日の追記】

 2年前のどさまわり記事をリバイバル掲載しています。

 念願かなって、「象潟八十八潟九十九島」に「蚶満寺」を訪れることができて感動です。それに加えて、思いもかけず「道の駅ねむの丘」の「温泉眺海の湯」で短時間ながら日本海を眺めながら温泉に浸かることもできてさらに感動。快速「きらきらうえつ」を利用しての象潟への旅は大満足のものになりました。

 ではその2年前の旅を思い出しながら、リバイバル掲載、スタート!

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https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818133210.jpg ▲平野の中にぽこりぽこりと小山が点在する象潟九十九島

 2007年8月26日、象潟。

 ねぶの花をしばし愛でたあとは、いよいよ象潟九十九島のほうへやってきました。

 「象潟八十八潟九十九島」と呼ばれるように、昔は入り江状の潟に大小の島々が浮かぶ「東の松島 西の象潟」と言われるほどの景勝地でした。ところが1804年の象潟大地震で地盤が2.4mも隆起したため、この名勝は一夜にして陸地となり、水田の中にかつての島々が小山として残る不思議な景観に変わったのだそうです。かつて本荘藩はこれらの小山を切り崩して全部平地にしてしまおうとしたこともあったらしいですがなんとか守られ、今もこの不思議な自然の景観を見ることができます。一方、芭蕉が象潟を訪れたのはまだ潟が陸地になる前ですから、芭蕉が眺めた象潟のそのときの景観は今の我々からは知るすべがありません。

 象潟駅からしばらく歩くと水田の広がる一帯に出て、だいぶ穂を出してきた広い水田の中に、ぽつんぽつんと樹木に覆われた小さな丘(というか小山というか)が点在している風景に出くわします。このあたりが九十九島。かつて海から続く潟に浮かぶように点在していた小島を今は豊かな稲穂が取り囲んでいるという不思議な景色にしばらく足を止めてしまいます。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818133144.jpg 水田の中に浮かぶ小島。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818133150.jpg この水田が水ならばまさに松島。

 さらに歩を進めると、「蚶満寺」というお寺に行き当たります。開山は古く、8世紀の延暦年間と伝えられていますが、現存するのは江戸中期のものと考えられる山門など。芭蕉ももちろんこの寺を訪れていて、境内には芭蕉像が立っています。時間があればちゃんと中に入って参拝もしたかったのですが、今回は山門をひとめぐりし、ここからの九十九島の景色や、すぐ裏手にある島(小山)に登って見渡せる景色を楽しむにとどめました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818133154.jpg 蚶満寺入り口。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818133158.jpg 蚶満寺山門。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818133202.jpg 蚶満寺から見る九十九島

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818133206.jpg このあたりは水田ではない。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818133215.jpg 蚶満寺裏手の小島の上から。

 田んぼと田んぼの間を緑に囲まれながらついついのんびり歩いてしまうので、思ったよりどんどん時間が過ぎていってしまいます。このままゆるゆると散策を続けて象潟駅へ戻ってもよいのですが、できればもう一つ行きたいところが。それはもうこの蚶満寺からもすぐそこに見えています。よし、やっぱり行こう。

 蚶満寺からまず海手へ歩いて国道7号線へ向かいますが、そこでまた踏切につかまりました。今度はEF81-28の牽く下りの貨物列車。JR貨物仕様で白い線が巻かれたEF81が空のコンテナ車を連ねて走り去っていきました。JR貨物のEF81をとっくりと見たのはこれが初めてのような……。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818133218.jpg羽越本線を駆け抜けるコンテナ列車。僕にとってはEF81も片パンタがお似合い。

 国道7号線に出て北へしばらく歩くと、ありましたありました「道の駅ねむの丘」。物産館、直売施設、展望塔、レストラン、宴会場などが入った大きな施設で、広い駐車場は車でいっぱい。日曜日ということで家族連れを中心に大混雑のにぎわいです。でも、今の僕にはそういうものにいちいち目をくれている時間はありません。他のものには見向きもせずに4階へ上がります。エレベーターの扉が開くと、そこは「温泉眺海の湯」。そうです。この道の駅には日本海を一望できる展望温泉があるのです!

 時間は14:30。上りの「きらきらうえつ」の発車時間は15:22。ここから駅まで約1.6km。入るべきかやめるべきかちらっと悩んだけれども、ここまで来て入らなかったらきっと後悔する。よし、入ろう。
 「きらきらうえつ」の車内で手に入れた割引クーポン券を使うと、入浴料金が50円割引になって300円になるので勇んでクーポン券を出したら「5と6のつく日は入浴感謝デーなので300円です」だって。なーーんだ。15:05に迎えに来てもらうようタクシー会社に電話をして、15時まで温泉へGO!、であります。