毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

中朝国境の町・丹東

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201307.jpg鴨緑江のほとりから。右が北朝鮮新義州の町、左のビルが見えるほうが中国丹東の町。

 というわけで、9月21日(金)と22日(土)は、瀋陽から250km東にある中国と北朝鮮の国境の町・丹東へ行ってきました。去年も10月の国慶節(建国記念日)の休日を利用して遊びに行き、そのときのことはコチラでレポートしましたが、ほぼ一年ぶりに再び訪れる機会を得たというわけです。

 21日の朝の列車に乗ってのんびり行こうと思っていたのですが、仕事が立て込んで午前中はどうしても抜けられなかったため、せっかく買っておいた列車の切符(寝台券)を払い戻して、瀋陽発13時の高速バスで行くことにしました。列車だと寝台で行っても60元(=約900円)なのに、高速バスだと70元(=1,0050元)もかかります。バスは座席も狭いし立ち上がれないしトイレもないし、ペットボトルのミネラルウオーターが一本配られるけれど、やっぱり列車に限ります。

 高速バスの瀋陽~丹東間の所要時間はちょうど3時間。丹東のバスターミナルに着いたのは16時ちょうどで、ホテルに荷物を置いてひと息入れたあと、国境になっている鴨緑江のほとりに出てみました。この日は丹東観光祭りの開幕式の日で、町の中はどことなくにぎわっています。19時半からは国境にかかる橋のたもとを中心に花火大会が行われるのだとか。

 まずは日が暮れる前に対岸の北朝鮮を眺めておきましょう。
 鴨緑江の対岸は北朝鮮新義州という町です。この日は珍しく空気がかなり澄んでいて、対岸の土手や堤防を歩く北朝鮮の人たちや、そのはるか向こうの山並みまで肉眼でくっきりと見ることができました。あの山はなんという山なのでしょう。川の岸には、北朝鮮の国旗がマーキングされたそれほど大きくはないコンテナ船も係留されています。いつも思うことですが、ここ丹東には北朝鮮との国境というイメージから来る緊張感のようなものがほとんど感じられません。どうにものどかです。夜になるとこの川から打ち上げられる花火を、中国の人も北朝鮮の人も同じように楽しむのです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201319.jpg ▲中朝国境に架かる橋が見える。鉄道と道路がある。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201314.jpg北朝鮮側の河岸にはコンテナ船が係留中。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201325.jpg ▲遠くに北朝鮮の山並みもはっきりと。

 日がすっかりと暮れたあとの北朝鮮側は、色とりどりのネオンがまばゆいばかりに光り輝くこちら丹東側に比べると、漆黒の闇と言っていいぐらいの闇に閉ざされます。丹東で夜を過ごすのは7年ぶりぐらいなのですが、前回は対岸は本当に掛け値なしの真っ暗だったという印象です。しかし今回は、街灯の明かりもちらほらと見えますし、建物の中に明かりが点いているのも見えました。林の向こうの新義州の駅がある方向はそうとう明るいらしくぼうっと白く光って見えます。

 花火大会が行われる国境の橋へやってきました。南側に架かるのが日本軍が建設し米国軍が破壊して半分になった「断橋」、北側に架かるのが鉄道と道路が平行に敷いてある「中朝友誼橋」。どちらも明るくライトアップされています。まもなく花火が始まります。ここが国境地帯であることをしばし忘れる時間になることでしょう。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201333.jpg ▲ライトアップされた「断橋」。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201341.jpg ▲「断橋」の下から「中朝友誼橋」を見る。こちらもきれいなイルミネーション。