毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

青森を拠点にどさまわり⑱(なくした切符)

【2009年7月27日の追記】

 どさまわり記事のリバイバル掲載も終わりが近づいてきました。

 切符を紛失するのは完全にその切符の持ち主の責任なので、出てこなかったら素直にあきらめてお金を払い直すべきだと思うのですが、このときはJR東日本のみなさんが僕が車内に置き忘れた切符を一所懸命探してくださっただけでなく、それがすぐ払い戻せるように遠く離れた駅どうしで電話やFAXのやりとりを何回もしてくださいました。なんとありがたかったことでしょう。切符の置き忘れそれ自体はイタイ思い出ですが、それが転じて却ってすてきな旅になったような気がします。

 それではリバイバル掲載スタート!

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https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818132909.jpg ▲7月15日、上野駅中央改札口。

 7月13日に「こまち16号」で上京したわけですが、「いなほ8号」に置き忘れた切符の後日談をもう少し書こうと思います。

 秋田から「こまち16号」に乗って、もうまもなく盛岡に到着するという13時半頃、携帯電話が鳴りました。デッキに出て電話に出ると、相手は秋田駅の駅員さん。「『いなほ8号』が終点の新潟に着きまして、改めて車内を探しましたら、切符が発見されました」。

 おおお!!なんと、切符が見つかったのです!

 「それで、お客さん、もうすぐ盛岡に着きますよね。見つかった切符のコピーをFAXで新潟駅から盛岡駅へ送りますから、盛岡で今お持ちの切符の払い戻しをする時間はありますか」と駅員さん。僕が秋田で買い直した切符が盛岡までの乗車券だったので、駅員さんは僕が盛岡で下車するものだと思っていたようです。実際は僕は別途事前に買っておいた名古屋までの切符に盛岡からつないで「こまち16号」を東京まで乗り通すので、盛岡で降りている時間はありません。その旨を駅員さんに告げると、「ああそうですか、では、払い戻しは一年間有効ですから、次に秋田へ来られることがありますか」と聞くので、僕は「はい、必ず秋田に行きますので、それまでよろしくお願いします」と改めてお礼を述べました。

 ああ、なんて親切な秋田駅のみなさんの対応でしょう。切符が見つかったら買い直したぶんの切符のお金を払い戻さねばなりません。意地悪な言い方をすれば、どうせもう新潟まで行ってしまった切符を見つからないことにしてしまえば、買い直させたぶん収入が増えることになります。それを切符も見つけてお金も戻してでは、秋田駅にとって得になることは何もありません。
 それでもこうして朝9時頃からずっと捜索してくれて、見つかったとなったら、今その旅客がどの列車に乗ってどこを走っているかを見定めて連絡を入れ、FAXのやりとりをしてまで払い戻しの手続きをちゃんとやってくれようとする秋田駅の駅員のみなさんには、本当に頭が下がりました。とてもありがたく、うれしい気持ちになりました。

 さいわい、今月25日からまた同じ用務で帰国することになり、来週中には秋田へ行く機会があります。そのときには払い戻しをきちんと済ませて、そして改めて駅員のみなさんにお礼をしっかり言ってこようと思います。