青春18きっぷ最後の一枚②（野島埼灯台）

▲房総半島南端・野島埼から見る太平洋の大海原。

　2005年9月10日、青春18きっぷ最終日。

　さて今度は館山駅前からバスに乗ります。

　今回青春18きっぷの最後の一枚を使ってどこに行こうかと考えたとき、とにかく房総各線にたくさん乗れさえすればよくて、何か途中下車して見られるものがあるかどうかはあまり考えなかったのですが、時刻表の地図を眺めていたら洲の崎灯台と野島埼灯台というのが目に入り、灯台に行くのもいいなあと急遽館山から野島埼灯台へ足を伸ばすことにしたのです。

　館山駅前から08:15発のJR関東バス南房州線安房白浜行きに乗り、のどかな漁村風景の中をのんびり国道410号線を行くこと約40分。野島埼灯台口で降りて国道410号線から海手へ入る小道をぶらぶら歩いていくと、おおおお、見えてきました見えてきました、白堊の野島埼灯台。海も思った以上に澄んでいてきれいです。

見えてきました野島埼灯台。

▲すでに140年近い歴史のある野島埼灯台。

海側から見る灯台もステキ。

　さて、野島埼灯台のうんちくターイム～～(^_^ゞ。

　野島埼灯台は、明治2年(1869年)に仏人技師ウェルニーによって設計され、関東大震災によって一度倒壊したものの、大正14年(1925年)に再建されて現在に至るそうで、開国の歴史を飾る慶応年2年にアメリカ、イギリス、フランス、オランダの四ヶ国と結んだ「江戸条約」によって建設を約束された八ヶ所の灯台の一つなのだとか。
　白色塔形コンクリート造、閃白光 毎20秒に一閃、120万カンデラ、光遠距離17海里(32km)、明弧245度から101度まで、高さは地上から灯塔の頂部まで29ｍ、平均水面上から灯火まで38ｍ。

　江戸開国にも関係した歴史も有し、丘のような低い高台にすっくと立つ真っ白い姿は美しく、なんだか思わず見惚れてしまいます。往時は黒船だったかどうか、異国からやってくる外国船を導くナビゲーターとして重要な役割を果たしていたのでしょうね。もちろん、今もその重要度は少しも変わっていないと思いますけれど。

　ところで、この時行ってみるまで全然知らなかったのだけれど、野島埼って房総半島の最南端なんですね。思いもよりませんでした。房総半島最南端之碑がありました。
　もちろん、地理的には伊豆半島石廊崎なんかのほうがもっと南にありますが、東京湾をぐるりと回った東側ではいちばん南の端っこということになります。思いもかけずそんなところに来てしまうだなんて、なんだかうれしくなっちゃいます。

「房総半島最南端の地」。

「房総半島最南端之碑」。

　さて、9月ももう10日とは言え、あまりの天気の良さに気温もぐぐっとアップし、海べりを風に吹かれながら歩いても汗ばむ残暑です。

　野島埼灯台の周辺は岩場になっているので、海に突き出た岩のほうへ出てみると、まずは晴天に恵まれて広がった青空の下に水平線まで続く太平洋の大海原。ふと足下を見れば、関東にこんなきれいな海がと驚いてしまうほどに澄んだ水が打ち寄せ、浅いところでは泳いでいる小魚がはっきりと見えます。東京都心からちょこっと離れただけでこんなに美しい海があるなんて意外でした。
　灯台をぐるりと回るように岩場伝いに野島埼の東側をてくてくと歩き、国道410号線に復帰する頃にはかなりのへろへろ状態。アイスでも食べたいなあと思っていると、うまい具合に前方にスーパーが出現。急いでスーパーに駆け込んで、買ったのはアイスではなくて缶ビール(^-^)。表に出て、海を眺めながらごくごくごくと飲んだ冷えた缶ビール。ぷっはーーー、ウマっ！(^ﾍ^)v。

向こうは大島か伊豆半島か。

▲ほんとによく澄んだ海です。

▲野島埼の東側へぐるりと回って遠くに見える白い建物のほうまで歩くと、ビールがほしくなるんです。