毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

青森を拠点にどさまわり⑧(青森帰還)

【2009年7月7日の追記】

 「青森を拠点にどさまわり」の書庫移転に伴うリバイバル掲載を続けています。

 結局この日は「いなほ8号」と「いなほ7号」で往復して、一日で900km以上移動したのでした。しかし、かつて大阪と青森を結んでいた名特急「白鳥」のスジをたどりながら明け方から夜遅くまでの奥羽・羽越街道を堪能できてなかなか楽しかったです。

 「佐渡朱鷺めき弁当」、とても上品でおいしかったですね。日本海を眺めながら駅弁なんて何にも代え難い贅沢です。あ、このときはもう日が暮れちゃってましたけど(^^)。

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https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818132316.jpg ▲458.8㎞を走り抜いて青森駅に到着した「いなほ7号」。

 2007年7月9日(月)、まだまだ先は長いのに、「いなほ」だけでこんなに長く書くことになろうとは思ってもいなかった、今日もまだ「いなほ7号」。

 秋田到着直前の、羽越線日本海が見える最後の区間で素晴らしい夕日と日本海を見ることができてかなり満足した僕を乗せた「いなほ7号」は、定刻の19:27に秋田に到着しました。下りの「いなほ7号」は上りの「いなほ8号」とは違って酒田や秋田での停車時間は短く、秋田でも停車時間は3分だけ。上りでも見かけた車内販売の女の子を降ろして、「いなほ7号」は19:30、奥羽線区間に突入します。

 車窓には闇が下りてきました。さあここで、新潟発車直後の車販で購入しておいた駅弁を食べることにいたします。

 それは、新発田三新軒の「佐渡朱鷺(とき)めき弁当」。JR発足20周年記念駅弁のようで、トキの翼に模した厚紙を組み合わせた箱の中に弁当が詰まっています。佐渡コシヒカリを100%使用するなど、佐渡の特産品を惜しげもなく使ったこの駅弁は、おかずの種類も豊富で、その一つ一つの味付けもとてもよく、見た目もまことに美しい。つややかに炊きあげられたコシヒカリの上に散らされた干し白エビや桜花の塩漬けの淡い色がとても上品で、一夜干しのイカ、ホタテの煮物など佐渡の味が数々並び、トキの形に型抜きしたニンジンやトキの柄が入ったカマボコ、トキの形の箸袋など楽しい工夫も見られます。もちろん笹だんごも忘れていません。こんなお弁当ならぜひ缶ビールがほしかった。目にも舌にもおいしい駅弁でした。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818132322.jpg佐渡朱鷺めき弁当」。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818132327.jpg ▲なかなかおいしくいろいろ楽しめる駅弁でした。缶ビールを買わなかったのが返す返すも残念。

 とっぷりと暮れた秋田県北を「いなほ7号」はひた走り、大館からは漆黒の県境を越えて青森に入り、交換施設のある駅では単線からポイントを渡る音を何度もひっそりとした車内に繰り返し響かせながら、弘前まで下ってきました。弘前着は21:29。あと弘前から青森まで行く列車は21:55発の681M普通列車の一本のみ。奥羽本線最終列車の一本前として、「いなほ7号」は弘前から青森まで31分のラストスパートを走ります。

 そして22:01、終点青森駅の3番線に「いなほ7号」は到着しました。ここを発ったのはこの日の朝の06:07。二本の「いなほ」で往復した約16時間、少しも飽きることのなかった昼間の時間帯の奥羽本線北部と羽越本線、とても魅力的な路線だということが再発見できたような気がします。

 さて、翌日も朝早いんだった。早く家に帰って寝ようっと。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818132333.jpg 青森駅に既に人影はなく。