毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

名残の「彗星」、そして火祭り⑨(ラムネ温泉)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818112207.jpg ▲芹川に沿って温泉旅館が並ぶ長湯温泉。

 2005年8月28日、豊後竹田駅→長湯温泉。

 瀧廉太郎記念館から豊後竹田駅へ戻って自転車を返却し、駅前から長湯温泉行きのバスに乗ります。バスは駅の裏山を駈けのぼり、北上すること約50分、長湯温泉に到着です。

 長湯温泉は、つい先日、5月頃でしたか、「日本一の炭酸泉」というキャッチコピーの根拠が不明確であるとして行政指導を受けたというニュースが流れたので、聞き覚えのあるかたもいらっしゃるでしょう。
 長湯温泉は、久住山麓の丘陵地に湧く温泉で、「日本一の炭酸泉」として有名なところです。今回の行政指導は、利用者の一部から「炭酸濃度は日本一ではない。コピーはおかしい」との疑問が寄せられたことに端を発するのだそうですが、長湯温泉側は「炭酸濃度だけではなく、規模だとか湧出量だとか源泉のまま使えるかどうかなどを総合的に検討して「日本一」をかぶせていたということなので、この利用者の指摘はなんだか水くさいなあと僕は思いました。だって、長湯温泉、すっごくいい温泉なんですよ!

 さて、宿に荷物を置いて、外湯巡りにでかけます。

 外湯めぐりの一番手は長湯温泉のシンボル「直入町温泉療養文化館 御前湯」。温泉治療学研究に100年以上の歴史を持つドイツに思いをはせ、外観は木造西洋建築になっています。下の写真が御前湯の入口です。

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 長湯温泉のお湯は、炭酸ガスが溶け込んだ炭酸泉と炭酸水素塩泉で、泉温も幅が広く、冷泉もあれば温泉もあり、炭酸ガスの含有濃度が高い冷泉(30℃前後)にじっくり浸かるのもよいし、42℃前後の温泉で毛穴を刺激されながら汗をかくのもまたよいです。
 この御前湯の浴場も、温泉、冷泉、露天風呂、サウナがそろっており、入浴料500円のところ、長湯温泉に宿泊する人は半額の250円で、茶色のお湯に心ゆくまで入ることができます。もちろん飲泉もでき、胃腸の働きを活発にするのだそうです。風呂上がりには、すぐ前を流れる芹川の清流を眺めながら大広間で休憩することもでき、実に、しあわせな気持ちになれます。

 御前湯を楽しんだあとは、芹川べりの道を歩いていきます。

 途中、川岸から湧出している露天風呂、悲恋伝説のある「ガニ湯」。この開放感はたまらないけれど、さすがに人通りの少ない夜中でないとちょっと入れない感じ。道路脇に下へ下りる階段があり、橋の下で服を脱いで入るのだそうです。真っ昼間に入ったら、それはそれで気持ちいいだろうな。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818112211.jpg ▲「ガニ湯」。できることなら白昼堂々入ってみたい。

 お次は、日帰り温泉施設「ラムネ温泉」。高濃度の炭酸泉は全国でも十数ヵ所しかないといわれ、かなり貴重な温泉です。長湯温泉を有名たらしめているのがまさにこの「ラムネ温泉」。ごく最近、建物をリニューアルしたらしく、アーティスティックな雰囲気がただよっています。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818112215.jpg 「ラムネ温泉」入口兼ギャラリー棟。

 入口兼ギャラリーになっている建物で入浴料を払い、庭を突っ切って行くと奥の建物が浴場棟。内湯は43℃の高温炭酸泉、露天風呂はラムネ温泉由来になっている33℃の低温炭酸泉・ラムネの湯です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818112218.jpg 中央奥が浴場棟。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818112222.jpg 風呂上がりはギャラリーで休憩。

 33℃のラムネの湯に浸かるとあっという間に細かい気泡が肌に付着してきます。炭酸ガスの含有濃度は入浴剤「バブ」の12倍とのことで、しばらく入っていると全身が泡に包まれ、なんだか妙な姿になってしまいます(笑)。かなりぬるめですが、心臓に負担をかけないで長湯ができ、炭酸の吸収で血管が拡張し温まるとのことで、とにかくみなさん長湯してます。あ、だから長湯温泉っていうのかな??

 二カ所温泉をハシゴしたら、もうかれこれ夕暮れ時。炭酸泉にたっっぷり浸かって体はすっかりリフレッシュしたので、宿に戻って晩ごはんでもいただくことにいたしましょうー。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818112227.jpg ▲宿の窓から「ラムネ温泉」を望む。午後6時近くなって芹川も少し暮れ色に。