毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

夏こそ鍋焼きうどん!(酷暑の夏休み帰省レポ・その18)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818164906.jpg ▲昔懐かしアルマイト鍋!松山ではこの鍋が今も現役ばりばりで多数活躍中!

 2012年8月16日、松山を発つ前に。

 師匠、前夜はお盆のど真ん中なのに温泉から「がんこ寿司」さんへとご案内いただきありがとうございました!

 明けて8月16日、ワタシは松山をあとにします。
 
 が、しかしその前に、ぜひとも寄りたいところが。荷物をまとめてホテルをチェックアウトし、めざすは松山市湊町3-7-2。あれ?「がんこ寿司」さんの住所(湊町3-7-17)と妙に似てるな。すぐ近くってことか。じゃあ迷わずに行けるな……と、思ったのが大間違い。3人並んでは歩けまいと思うほど狭い小路のこと、しかも前日は夜だったし、炎暑の下を荷物をごろごろ転がしながら歩き回って探せども探せども見つからない!いかん、こんなハズでは。早く見つけないとバスの時間になってします。同じエリアをぐーるぐーると歩き回って、それでも見つからない。完全に迷った。発狂しそう……

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818164811.jpg ▲あった!!!見つけた!!この小路だよ、この小路~~(涙)。

 そろそろ時間切れかと思われたそのとき、歩きながらフッっと横を見ると、あったあったあった!この小路だよ、この小路!!どうしてこの小路が見つけられなかったんだ!ありましたありました。やってきたのは、この小路を入ったところにあるお店「ことり」。あまりに有名なので僕が敢えてここで紹介しなくてもいいぐらいですが、ずっと行きたかったお店なので、万感の思いをこめて、我れここに書き記す!

 入口には「営業中」の札。よかった、お盆で休業とかでなくって。
 では、中に入りまーす。引き戸を、がらり。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818164821.jpg ▲テーブル席。柱にはメニューがかかる。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818164831.jpg ▲テーブル席に着席し、入口の方を見る。甘味処という雰囲気かしら。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818164836.jpg ▲お座敷もございます。

 ここは松山では誰もが知っている(たぶんね)鍋焼きうどんのお店なんです。いくら有名店だからと言ってこんな灼熱の真夏に鍋焼きうどんを食べることはなかろうと、まあワタシもそう思います(笑)。しかしこのお店を訪れることは僕の長年の夢であり目標であり課題だったのです!ここ数年、松山には何度も来ましたが、いつもだいたい午後3時か4時に到着して、そのまま師匠に連れられて温泉に行き、そのまま夜中まで飲んだくれ、翌日の朝早くに松山を発つという日程ばかりだったので、このお店が開いている時間帯にこの界隈に来ることができなかったのです!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818164843.jpg ▲おいなりさん登場。意外に大きい。

 苦節数年(たぶんこのお店の存在を知ってから5年ぐらい)、とうとうこの8月の酷暑の日に、ここへ来ることができたのです。わーい、拍手拍手(^^)// ハクシュハクシュ。

 で、時間は10時20分頃、先客はナシ。メニューは「鍋焼きうどん」と「いなりずし」しかありませんので、お店のおばあちゃんが出てきて、いくつかを聞くだけです。「一つお願いします。あといなりずしも。」とオーダー。

 するとまずは瞬時にしていなりずしが配膳。小皿にはいなりずしが二つ。意外に大きいです。あげは、さすが西日本だけあって煮汁の色が薄いのでしょう、手を加える前の油揚げの色からほとんど変わっていないように見えます。あげを長方形に切って俵型にするのではなく、あげを対角線で三角に切って、あげの角が頂点に来るようにした三角形のおいなりさんです。中にはニンジンやタケノコを細かく刻んでまぜた炊き込みご飯のような酢飯がぎっしり詰まっていて食べ応え十分。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818164849.jpg ▲俵型ではなく三角形の形をしていて、そのぶん大きいんですね、きっと。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818164854.jpg ▲中にはニンジン、タケノコを混ぜ込んだ酢飯がぎっしり。

 いなりずし、これだけでもけっこうなボリューム。さっそくかぶりつきたいところですが、ここは鍋焼きうどんがやってくるまでじっとガマン。

 ほどなく、鍋焼きうどんの到着です。配膳と引き替えに代金を支払います。ショットバーのようです(^^)。

 テーブルの上に姿を現したのは、一人用の大きさの両耳付きアルマイト鍋。アルマイトの皿に載り、アルマイトれんげも添えてあります。これだ、これこれ、これが「ことり」風。というか、松山では鍋焼きうどんはこのような形で供されるものらしいです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818164902.jpg ▲これこれ、これに出会うのに5年もかかった(^^)。

 このアルマイトの鍋、懐かしいですねえ。実は僕、小学校の頃、土曜日がまだ半日授業の頃で(年齢がバレます?(笑))、毎週土曜日、学校が終わって帰宅すると、母がこのアルマイトの鍋でインスタントラーメン(もちろん袋麺よ)を作ってお昼にしてくれることがあって、それがすっっごく楽しみだったんです!日清食品の「出前一丁」のゴマ油の入ったあの味が好きで、毎週土曜日、今日は「出前一丁」だったらいいなあと期待しながら家路を急いだものでした(笑)。

 だからこのアルマイトの一人鍋、とにかく懐かしくてうれしいんです!ああ、うれしいっ!!

 じゃあ、フタ開けるよ、フタ!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818164914.jpg ▲これが「ことり」の鍋焼きうどん。他に言うことナシ。

 フタを開けると、ふわっと湯気が一瞬上がって、姿を現したのは「鍋焼きうどん」。アルマイトの鍋ごと煮込まれた太めのうどんの上には刻んだあげ、なると、肉、伊達巻き玉子っぽい玉子焼き、そして刻みネギ。いわゆる鍋焼きうどんに定番の大きなエビ天とか生卵とか大きなシイタケとかホウレンソウとかは載ってないけど、松山の鍋焼きうどんはこれで十分、これでいい。

 そしてなんと言ってもつゆの色が薄い!北日本人の僕からすればそれだけでも僕が今まで食べてきた鍋焼きうどんとは全然違う印象。色は薄く、だしはしっかりきいたつゆに違いない。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818164815.jpg ▲この色が薄く澄んだつゆからがしておいしそう。