毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

ホウタレイワシ(酷暑の夏休み帰省レポ・その16)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818164601.jpg ▲松山「がんこ寿司」さんで日本人に生まれて良かった!と思えるシメサバをいただく。

 2012年8月15日、瀬戸内ざんまい。

 東道後の温泉施設「そらともり」から移動してきたのは、大街道を突き抜けたあたり、銀天街のアーケードからちょこっと小路に入ったところにある「がんこ寿司」さん(松山市湊町3-7-17)。師匠のなじみのお店です。昭和45年からずっとこの小路でがんばっておられる広くて開放感があり、落ち着いた雰囲気のお寿司屋さんで、瀬戸内海で捕れる新鮮な魚介を使ったお寿司や一品料理が楽しめます。

 師匠と僕は座敷席に上がってまずは改めてビールで乾杯。とりあえずの肴はタコとトウモロコシの天ぷら。トウモロコシはほんのりと甘く、タコは噛みしめると味がじゅわりと染みて、ウマイ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818164543.jpg ▲とりあえずビールのとりあえず肴はタコとトウモロコシの天ぷら。岩塩でいただきます。

 日本酒で杯を重ねたいところですが、こう暑いとやはりビールへ走ってしまいます。この日はずっとビールでいこう!

 よし、お刺身だ。まずは大好物のシメサバ。ああ、おいしい。なんておいしいんだろう……

 今日は赤貝もある。捌きたての赤貝もこれまたウマし。こりこりした歯ごたえがたまらん。ヒモの食感がまた格別。

 そしてアジ。スダチを絞っていただくアジがまたこれウマイ!北京に日本料理店は星の数ほどあれど、特にヒカリモノはおいしいと思って食べられるものはほとんどないと言ってよい。日本にいて日本人であることのシアワセを噛みしめながら、アジの刺身をいただきまっす!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818164606.jpg ▲シメサバをズームアップ。それほど〆めてはいなくて生に近いおいしさ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818164613.jpg ▲立派な赤貝のいただきます。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818164618.jpg ▲こりこりの食感と、噛めば口中に広がる貝の甘さにもうウットリ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818164629.jpg ▲アジも大好きであります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818164623.jpg ▲北京ではこんな立派なヒカリモノは食べられない!

 一連の刺身シリーズで早くも大満足状態に昇り詰めそうになってますが、師匠の指示により、肴はまだまだ続々とやってきます。

 次に小鉢に入って出てきたのは、なにやら小魚に薄く衣を付けてさっと揚げ、甘酢かなにかに漬け込んだもののように見えます。衣から透けて見える小魚にはフグのようなタラのような模様があるようです。

 師匠にこれはなんですかと尋ねると「これはトラハゼの南蛮漬である」とのお答え。トラハゼ?ハゼの仲間なのでしょうけれど、初めて聞く名前。瀬戸内海のウマイもののひとつだそうです。
 一口食べてみると、おお!白身で淡泊ですが、青森でよく食べる棒鱈というか鱈干しに似て身が締まっていて固めの食感で、南蛮漬の汁が染みこんだ衣と合わさって、非常においしい。ビールのつまみに最適です!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818164641.jpg ▲初めてお目にかかりました、トラハゼ。南蛮漬です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818164647.jpg ▲身が締まっていて、南蛮漬の汁と合わさってビールのつまみにぴったり。

 次もまた瀬戸内海の魚だよと言われて登場したのは、小魚の刺身。キラキラと銀色に輝く肌合いは一見イワシ。しかしイワシにしてはかなり小振り。コハダのようにも見えますがコハダよりは身がかなり柔らかそう。形や大きさはキスに似ているけど色合いは違う……

 「コレ、なんですか?イワシに似てますが?」と尋ねると、師匠曰く「うむ、これはホウタレイワシである。」……ホウタレイワシ?初めて聞いた。うーん、瀬戸内海、奥が深い。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818164551.jpg ▲ホウタレイワシの刺身が登場!

 イワシの一種だとわかって改めて仔細に見ると、ハッと思いついた。「あっ、カタクチイワシのことでは?」師匠曰く「そうとも言うが、ここらへんではホウタレイワシだ。」
 なるほど、カタクチイワシね。しかしカタクチイワシは畳鰯、煮干し、みりん干し、しらす干しなど加工品で食べたことはあっても、生食は未経験。イワシの中でも瀬戸内の新鮮なカタクチイワシの刺身は最も美味しいと言われているのだとか。さっそくスダチを搾って少々のワサビでいただくと、うん、ウマイ!こりゃウマイわ!いやー、うれしい!瀬戸内の美味に酔いしれてしまいます。ちなみに、頬が垂れているように見え、頬が垂れるほど美味しいのでホウタレイワシという名があるそうです。イワシの頬って………(^^ゞ

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818164556.jpg ▲ホウタレイワシを刺身で食べられるのは瀬戸内ならでは。松山万歳!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818164635.jpg ▲テーブルの上にはその日の一品料理の品書きが。字はイマイチだが(笑)、どれもオイシイ。