毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

平成最後の満月の夜(その4)

イメージ 10 ▲金沢駅5番線を発車していく七尾行き普通列車837M。

 2019年4月21日、金沢以西の麦畑。

 翌朝は、北陸自動車道小松IC近くのホテルからまずは最寄り駅へ移動します。最寄り駅は北陸本線明峰駅。距離は東へ約2.6km、所要時間は徒歩で35分程度が見込まれます。明峰駅発07:59の列車に乗りたいので、7時20分にはホテルを出なければと思いつつ、気がはやってもっと早く出発しました。初めて訪れる場所を歩くのは全然苦になりません。前夜食事をした「ラーメン寶龍」が角に建つ交差点を東へ折れて、けっこう広い道路、県道54号線をてくてく歩きます。

 道の両側は田んぼが広がり、県道54号線はけっこう広い道路ですが、日曜日の早朝に通る車はごく少なく、のどかでさわやかな田園風景の中を歩くのはなかなか気分がよいです。

イメージ 1 ▲この時期に青々と茂る畑が点在。これはもしや麦畑では?

 前日、羽田空港から小松空港へ向かう飛行機の機窓からも見えたように、田んぼは田起こしが済んだか水を張って代かきをしたかの状態がほとんどのようですが、歩き進んで行くと、ところどころ青々と草葉が茂っている田んぼが見られます。これは雑草なのかしらなどと思っているうちに、道ばたすぐに青々とした茂みの田んぼが広がってきたので近づいて見てみると、どうもこれは小麦畑のようです。石川県では小松市内でパン作りに適した品種「ゆきちから」が栽培されているそうで、秋まきで6月に収穫を迎えるらしいです。地元産の小麦で作るパンはさぞやおいしいでしょうね!

 更にしばらく歩き進むと、道の両側が工事現場になり、今歩いている県道54号線を跨ぐ高架橋が建設されているようです。これはもしやと思って調べてみると、やはり北陸新幹線金沢以西の建設現場でした。石川県内の金沢以西には小松駅と加賀温泉駅の2駅が新幹線駅として開業することになっていますが、この場所は小松駅のちょい手前ということになりましょう。金沢から敦賀までの区間の建設がここまで進んでいるんですね。

イメージ 2 ▲北陸新幹線金沢以西の高架線の建設が進行中でした。

 新幹線工事現場を通り過ぎて更に少し行くと、県道54号線はJR北陸本線を跨ぐ陸橋となり上り坂になっていきますが、ここで僕は側道へそれて進み、陸橋の下を東西に抜ける県道169号線を左折します。県道169号線は下り坂になって北陸本線の下をくぐるアンダーパスとなっていきますが、線路をくぐらずに線路沿いに進む道が手前で分かれているのでそちらを進むと、明峰駅が見えてきます。よし、順調。

 と、そこへ、列車が接近していることを告げるホームの自動アナウンスが聞こえてきました。えっ?えっ?どっち行きが来るの?と思う間もなく、小松方から下り列車がやってきました。えっ、なんで?07:59までまだ時間があるよ?初めて訪れた明峰駅の写真をゆっくり撮ろうと思っていたのに、予定していた列車より1本早い列車が来たようで、もしかしたらこれに乗れば目的地に早く着けるかもしれないと思い、急いでホームへの階段を駆け上がり、駆け込み乗車しました。

イメージ 3 ▲明峰駅方面へ行ける側道を示す道路標識。まっすぐ進めば陸橋になって線路を跨ぎます。

 飛び乗ったのは、当初予定の明峰駅07:59発の小松始発金沢行き普通列車1635Mの1本前の07:45発敦賀始発金沢行き普通列車1223Mでした。日曜日だからか車内は空いていてすぐに座ることができました。

 しかし!時刻表を調べてみると、これに乗っても1本あとの当初予定の列車に乗っても、金沢到着は5分しか違わず、金沢から乗り継げるのは同じ列車であることが判明。だったら明峰駅でゆっくり写真撮影がしたかったー(涙)。

 明峰駅発の時間に14分も差があるのに、どうして金沢到着時は5分差に縮まってしまうのだろう?

 その不思議は、能美根上、小舞子と停まり、07:55に美川に到着して、明らかになります。

イメージ 4 ▲明峰から3つめ、美川に到着した1223M。

イメージ 5 ▲1223Mは美川で6分停車するのでした。

 美川駅では、下り本線の1番線ではなく2番線ホームに入り、なんと6分停車。なるほど、この列車は美川で特急に追い抜かれるダイヤになっているのですね。ここで6分停車するがゆえに、後続の1635Mとの金沢到着時間差がわずか5分に縮まってしまうというわけだ。あー、それにしても残念、明峰であわてて乗り込まなければよかった。

 なのに、待てど暮らせぞ追い抜いていく特急は来ず、誰にも抜かれないまま、08:01に定刻発車。なんで?と思ってまた時刻表を見れば、追い抜くはずの列車は21M特急「おはようエクスプレス」で、土休日は運休なのでした。

 そんなこんなで、終点金沢には08:23に3番線に到着。ホームに降りて列車の顔を見に行ってみると、行き先表示は早くも「福井」に変わっていて、08:29発の福井行き普通列車1334Mに早変わりしてました。

イメージ 6 ▲終点金沢に到着し、6分で福井行き1334Mとして折り返していくようです。

イメージ 8 ▲金沢駅7番線に到着した55M特急「ダイナスター5号」。

 6番線に移動し、次に乗る列車を待っていると、7番線に681系車両の特急が到着。車側には「ダイナスター」の表示が出ていて、これは福井からの55M特急「ダイナスター5号」。08:32の到着です。特急「ダイナスター」登場以来、間近で見るのはこれが初めてなので、ぜひ「ダイナスター」の表示をカメラに収めておきたいと思いましたが、近づいていった時には既に「回送」になっちゃってました。残念。

 一方、5番線には国鉄車両が入っています。まだ健在なんですね~。七尾線を走る輪島塗をイメージした赤色塗装の415系800番台です。この列車は08:37発の七尾行き普通列車837Mで、C09編成が充当されていました。七尾線なんてもう何十年も乗ってないような気がするなー。

イメージ 9 ▲金沢駅の駅名標と、5番線停車中の七尾行き普通列車837M。

イメージ 7 ▲七尾線では113系から改造された交直流両用の国鉄形415系800番台が今も活躍中。