機内で飲茶もどき。（Long Summer Vacation；その44）

▲東涌のマンション群を右手に見ながら急上昇中のKA927便。

2018年7月21日、長洲島。

　香港発ハノイ行きのKA297便は、08:50にタキシングを始め、09:01にRWY07Rから離陸して、右側に東涌（トンチュン）のマンション群を眺めながら上昇していきます。その少し先には、前日の着陸時に見えた「青いるか」人口島と同じように竣工間近の港珠澳大橋の一部が見えてきます。T字路のような構造の海上ハイウエイは、香港と澳門・珠海方面と、「港珠澳大橋香港口岸（the Hong Kong Boundary Crossing Facilities）」とを結ぶ道路です。「港珠澳大橋香港口岸」は、香港側の出入境審査などを行う施設で、香港中心部から来る車もマカオ・珠海方面から来る車もすべていったんこの施設に立ち寄って出入境審査や税関審査などを受けなければなりません。バス利用の場合、ここまで来て降りて、出入境審査を受けて、またバスのきっぷを買って……というプロセスはちょっと面倒かも。ただ、この人口島は香港空港のすぐ隣にあるので、日本などから飛行機で香港に到着して、そのままマカオへ行きたいという人にはかなり便利なんじゃないでしょうか。 

▲高架道路を下の方へおりていくと「港珠澳大橋香港口岸」の人口島があります。

　この日は香港らしくないほど天気がよいので、空港から見てランタオ島の反対側にある香港ディズニーランドもよく見えます。

　ランタオ島の東のほぼ端っこにあるディズニーランドが眼下を通り過ぎると、KA297便はぐいっと右へ旋回し、ランタオ島と香港島の間を南下します。左側の窓際席に座っていれば、2015年まで僕が住んでいた香港島西部のサイバーポート周辺が見えるのになあと思いつつ、こちら右側の機窓からは、長洲島が見えています。長洲島と言えば、週末をバーベキューや海水浴などで過ごすのに最適な離島ですが、有名なのは毎年旧暦の4月8日（仏誕節；お釈迦様の誕生日）に行われる「饅頭祭り」。9,000個もの饅頭が貼り付けられた高さ14m「まんじゅうタワー」によじ登って、より高いところにある饅頭をいちばん多く取った者が饅頭王になれるという饅頭取り競争が行われます。いつか見てみたいものだ。

▲香港ディズニーランド。お客入ってんのかな～。

▲「饅頭祭りの饅頭取り合戦」で有名な長洲島。

　香港～ハノイ線の飛行距離は非常に短く、飛行時間は1時間30分から1時間40分程度。そのうち機内サービスができる安定飛行の時間は更に短いので、香港の南の海上に抜けて針路を西にとり飛行が安定すると朝食が配られますが、機内食サービスも少々慌ただしくなりがちです。

　機内食の朝食メニューのメインは、香港らしく、点心です。エビ餃子に野菜餃子に肉餃子に、鶏卵を使うので色が黄色い皮のシューマイ、そしてチマキ。ちょっとした飲茶気分になれるし、一見少ないように見えて、なかなか食べ応えあります。これにフルーツと、ちゃんと温めた丸パンがつきます。朝食としても時間的にも、これぐらいで十分ですね。

▲香港の航空会社らしく、機内食は点心の朝食です。パンはちゃんと温めてあります。

▲餃子・シューマイ類に、ホカホカのチマキ。けっこう食べ応えあり。

　香港離陸後しばらくは海上を飛行しますが、全体の半分ぐらい行った頃、中国広東省南部の、南シナ海に突き出し、瓊州海峡をはさんで海南島と向かい合う雷州半島のところで少し北へ針路を変えて、内陸部へと入っていきます。そして、広西壮族自治区の上空を飛び、北から回り込むようにハノイへとアプローチしていきます。

　ずっと雲上飛行が続き、ようやく雲の下に出ると、眼下にはハノイ北部ののどかな風景が広がります。

　おや、着陸直前に、屋根に「HONDA」と描かれた大きな工場が見えました。ずいぶん大きな工場です。ハノイ市の西に隣接するヴィンフック省（Tỉnh Vĩnh Phúc）フックイエン市（Thành phố Phúc Yên）にあるホンダの工場で、主に二輪車を製造しているようです。

　そしてKA297便は、09:32にRWY11Lに着陸。この日の飛行時間は1時間42分でした。エプロンにところどころ水たまりが残っているので、朝から雨が降ったのでしょうか。09:41に42番ゲートにスポットインして降機します。やだなあ、外を歩くときは雨は降らないでほしいよ。

▲やっと雲の下の出て、ハノイ北部の景色が広がります。

▲ハノイ・ノイバイ空港のすぐ西にあるホンダの工場が見えました。

▲ハノイ・ノイバイ空港に到着したKA297便。朝から雨が降ったらしい。